期末試験の参考情報
出題例の情報を追加しました。
問:以下の項目について、教育工学的な授業設計・実施・評価・改善に大事な考え方[授業で解説した事項]には、( )内に○をし、その解説した内容に関連する用語を挙げなさい。
1回目の授業分
- 教育的な問題解決と日常生活における問題解決とは、状況も方法論も全く異なるものである。( )
- 教育的な問題解決は泥臭いものであり、学問的に扱われる理想的な問題解決の方法は役立たない。( )
- 教育的な問題解決と日常的な問題解決とに本質的な違いは無く、問題解決の手法をうまく活用すればより効果的に解決できる。(○、Dick and Careyモデル)
- 学校には教育課程の編成や授業の仕方など、大きな自由度があるにもかかわらず、今の教師はそれを活かしていない。(○、学習指導要領の総則)
- 学校は、学習指導要領や教育委員会からの規制で自由裁量の余地がほとんどなく、その中で教師が工夫する余地はほとんどない。( )
- 各教科の内容は、学問的知見を正確に、かつ、分かりやすく教えることが大事である。( )
- 教科は学問を教えることに主眼があるのではなく、現実社会に適用したり、自己実現を図る上で役立つような内容で構成すべきである。(○、人間中心教育課程)
2回目の授業分
- 教師は役者と同じであり、授業という舞台の主役を演じ、お客である学習者を満足させることが大事である。( )
- 授業の主役は学習者であり、教師は学習者の介添え役として常に学習者の状況を把握し、望ましい状況とのズレを解消する手助けをすべきである。(○、教育工学的な「授業」の定義)
- 教授学習過程は双方向コミュニケーション過程であり、生徒の理解状況を観察して、分かりやすい情報提示に心がけることが大事である。( )
- 教授学習過程は単なる双方向コミュニケーション過程でなく、学習者の反応に応じて対応行動をとると同時に、学習者に対してKRを返すことが大事である。(○、3方向コミュニケーションモデル)
- 授業においては、生徒の状況に臨機応変に対応することが大事であり、授業設計力よりも教授スキルが大事である。( )
- 授業中の対応行動は、指導計画とのズレに基づいて行われるものであり、ズレの予測やそれへの対応行動も授業設計時に考えておくべきである。(○、吉崎の「教師の意思決定モデル」)
- ある授業状況でとるべき最適な対応行動は一意に決定可能であり、それができるようになれば名人教師と言える。( )
- 同じ授業状況下でも、教師の教授意図によって対応行動は変わる可能性があり、どんな教授意図を重視するかで授業の特徴が変わってくる。(○、授業計画の「5つ組」モデル)
- 教授意図とは、教師がやりたいことを表すものであるから、何をどのように伝えたいかを明確にすることが重要である。( )
- 教授意図としては、生徒にさせたい思考・学習活動の選択が大事であり、それを実現する手だてとして、伝達内容や方法を選択する意図が派生的に決まる。(○、教授意図の分類~認知活動制御、情報特性の制御、教授行動の制御)
- 40人を対象として授業を行うのは大変なので、あるレベルの生徒に焦点を当てて指導するしかない。( )
- 授業では、生徒間のばらつきを小さくする努力が大事な場面と、発想の違いや正誤のばらつきを活用して学習を深めることが大事な場面とがある。(○、教授意図の分類~クラス集団の制御)
- 授業では、基礎的・基本的な知識や技能を理解・定着させることが大事である。( )
- 授業では、基礎的な知識・技能を理解・定着させるとともに、基本的な見方・考え方を明示的な指導によって養うことが大事である。(○、基礎と基本の定義)
- 問題解決力を高めるためには、知識・技能だけでは不十分で、それらを活用するための見方・考え方を身につけることが大事である。(○、数理的な見方・考え方、5W1H)
- 科学・技術の発展と経済の発展により、高いレベルの市民教育を効率的に行う必要が生じ、学校教育が普及した。よって、学校教育に効率が求められるのは必然である。(○、コメニウスの大教授学)
3回目の授業分
- 授業設計を効率的に行うには、問題解決手法に基づき、全体から部分へという順で、後戻りの少ない意思決定をすることが大事である。(○、Dick and Careyモデル)
- 授業設計を効率的に行うには、既存の指導案を参考にして自分なりにアレンジするのが一番早い。( )
- 授業設計を効率的に行うには、教科書に基づき、詳しく説明する箇所と省略する箇所、発問や演習をする箇所を検討するのが早い。( )
- 授業の目標を明確にするには、生徒が具体的に何ができるようになるべきかを評価方法と対応づけて明確にすることが大事である。(○、行動目標)
- ある特定の内容に関する理解のレベルにはさまざまな段階があり、問題解決力の育成には、疑問を持たせつつ理解のレベルを上げていく指導が必要である。(○、ブルームの教育目標の分類学)
- 「生きる力」を育成する授業を実施するために、知識・理解レベルだけでなく、思考・判断レベルの目標を設定することが大事である。(○、ブルームの教育目標の分類の分析・合成など、あるいは、ガニェ流の教育目標の分類の問題解決など)
- 生徒に対しては、試験のために勉強するということも動機づけの1つとして活用する必要がある。( )
- 試験のために勉強すべきだという動機づけは、勉強嫌いを生む原因にもなるので、日常生活に役立つという動機づけを重視すべきである。(○、教育課程実施状況調査)
- 良い授業として「わかる授業」であることは大前提であり、そのためには、教師が分かりやすい説明を心がけることが最も重要である。( )
- 「わかる授業」は動機づけの面からも大事であるが、そのためには、生徒に疑問を持たせ、自ら解決し「わかる」ことを支援する働きかけが大事である。(○、ブルームの教育目標の分類学)
- 学校の教育目標は、生徒の関心とは別に、学習指導要領で規定されているのだから、試験などで動機づけて強制的に学習させることも必要である。( )
- 学校教育で扱うべき教育目標を生徒自身が主体的に学びたいと思う学習目標へと転換するための動機づけの工夫が教師には必要である。(○、教育目標と学習目標の定義)
4回目の授業分
- 生徒の誤りを予想することよりも、誤りが生じないような分かりやすい説明方法を工夫することに全力を傾けるべきである。( )
- 生徒の誤りを予想することは不可能であり、臨機応変に対応できる柔軟性こそが教師の力量である。( )
- 生徒の誤りやつまずきの原因には一定の理屈があり、その範囲の誤りを検討しておくことは、経験によらず必要最低限の教師の役目である。(○、次元分け)
- 教師としての経験を積めば、生徒がどんな誤りやつまずきをするかは自然と分かるようになる。( )
5回目の授業分
- 生徒に学習への動機づけを与えるには、おもしろい話題や実演、コンピュータによる動画の提示など、生徒の目を引く工夫が大事である。( )
- 学習への動機づけは、単に興味をひくだけでなく、有用性ややればできるという自信、努力の成果としての満足感を与えることも大事である。(○、ARCS理論)
- 授業は、導入、展開、まとめで構成され、展開は、教科書の内容にそった説明-例題-演習-回答で構成できる。( )
- 授業の流れは、外から与える情報と記憶とを結びつけ、再構成させるための効果的な働きかけの過程として設計されるべきである。(○、ガニェの9教授事象)
6回目
- 授業では、何を板書するか、何を詳しく説明するか、どんな問題を解かせるかなど、学習内容を中心に考えることが大事である。( )
- 授業では、生徒の頭の中でどのような情報がどのように処理されていくべきかという観点から提示内容・方法を決めることが大事である。(○、ガニェの9教授事象)
- 授業では、生徒の見方・考え方を養う働きかけが必要であり、授業の展開でも、見方・考え方の活用の流れに即して考える必要がある。(○、数理的な見方・考え方)
- 見方・考え方の活用に着目すると、説明の流れは複数発想可能であり、その中から生徒に応じた適切な流れを選択することが大事である。(○、数理的な見方・考え方)
7回目
- 生徒がある内容の授業を受ける機会は1回きりなので、授業をする前に少しでも良い授業に改善する努力が必要である。(○、指導案改善視点表、模擬授業)
- テストの結果は、点数の高低よりも、誤り・つまずきを分析し、改善のためのFBをすることが重要である。(○、評価と評定、あるいは、形成的評価と総括的評価)