期末試験の参考情報3
問.以下の項目A~Fは、指導案改善チェックリストの項目の一部である。これらの項目に基づき、下に示す指導案(表紙)をどのように改善すべきか、個々の項目ごとに具体例を挙げて説明せよ。(この問題は、情報技術の知識を問う問題ではなく、授業設計についての理解を問う問題である。サンプル問題として、「情報」の例を示している。)
A.本時の目標は、内容項目ごとに行動目標の形式で箇条書きになっているか?
B.指導上の留意点に、既習事項や本時の発展事項との関連性が記述されているか?
C.指導上の留意点に、他教科との関連や、生活・仕事との関連について記述されているか?
D.指導上の留意点に、生徒の興味関心や既習事項の達成状況などが記述されているか?
E.指導上の留意点は、何をどのように工夫するのかが明確で具体的か?
F.評価方法は、本時の目標と対応づけて箇条書きになっているか?
【指導案(表紙)】
- 本時の目標
- 画像のディジタル化について、標本化と量子化を扱う。
- 画像ファイルの保存形式として、JPEG、BMP、GIFの3種類を扱い、それぞれの特徴を解説する。
- 授業観・教材観・生徒観
- 生徒は、中学校で画像処理ソフトを使った経験はあるが、ディジタル化については扱っていない。
- 本時は、ペイント系の画像フォーマットを扱い、ドロー系については扱わない。
- 標本化と量子化は、直感的に理解させるよう工夫する。
- JPEG、BMP、GIFの特徴は、情報量、色数、アニメーションを表現できるか否か、などを扱う。
- 生徒は、画像処理ソフトを使って絵を描くことは好きである。
- 評価方法
- 画像処理ソフトで描かせた絵を評価する。
解答例
- 視点Aに即して、「画像のディジタル化について、標本化と量子化の定義を説明できる」や「画像ファイルの保存形式として、JPEG、BMP、GIFの3種類を目的に即して使い分けることができる。」のように表現する。
- 視点Bに即して、「図形をディジタル化する方法として、次の時間にドロー形式の表現も扱うので、本時の方法がディジタル化の唯一の方法であると誤解しないようにする。」等の発展事項との関連性の記述を加える。
- 視点Cに即して、「JPEGは、ディジタルカメラの写真の保存形式としてよく使われていること、GIFがホームページ上で簡易なアニメーション表示に使われていることなどに触れる。」等の日常的生活との関連についての記述を加える。
- 視点Eに即して、「標本化と量子化は、直感的に理解させるよう工夫する。」を「標本化と量子化については、2進数などは用いず、図に表して直感的に理解させるよう工夫する。」などと具体的に記述する。
- 視点Fに即して、「1番目の目標については、まとめの時間に生徒を指名して説明させる。2番目の目標については、演習の時間に、目的別にどの保存形式を使ったよいかを問う問題に解答させる。」などと記述する。