Tool no.3

5つ組モデル

 1992年に松田らによって提唱された授業計画のモデルです*。
 授業計画には、授業の過程(教授過程)に関する記述が含まれていますが、松田らはその教授過程の各ステップを、{授業状況の予測,教授意図,伝達内容,伝達方法,結果の予測}の5つ組の情報で表されるとしました。これは、授業の実態と授業計画とのズレの認知に授業の状態の予測が必要であり、また授業とは、この期待される授業状態の遷移を生み出すための教育的働きかけと捉えられるからです。教授意図とは、この授業状態の遷移に関する目標を記述したものであり、それを実現するためのコミュニケーション手段を記述したものが、伝達内容と伝達方法です。
 授業状況の予測のほかに、教授の結果の予測を記述する理由は、授業が集団を対象にして行われている以上、ある教授活動を行った時に,一部の学習者からは望ましくない反応が返ってくることなどが予想されるからです。
 このように、授業計画は,授業の状態から教授意図,伝達内容・方法の選択,そして教授の結果として授業の状態がどのように変化するかを予測する、という手順の繰り返しになります。私たちの研究室ではこのモデルを利用し、教授活動の支援を行うことを目的として研究を行っていることが非常に多くなっています。
*松田稔樹、多胡賢太郎、坂本昂(1992) “教授活動の計算機シミュレーションに向けたモデルの提案”、日本教育工学雑誌、Vol.15、No.4、pp.183-195.
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