次期学習指導要領は、従来の「コンテンツ・ベース」で教育課程を編成するという立場から、「コンピテンシー・ベース」の考え方へと舵を切った。前者は、教えるべき知識の範囲を先に定めて、その指導順序を設計するという考え方であり、後者は、高校卒業時点で身につけておくべき資質・能力を先に定め、それを修得させるために各教科でどのような内容をどのような方法で指導したらよいかを設計するものである。後者は、真に役立つ内容に厳選できる可能性があるが、そのためには、育成すべき資質・能力を適切に規定し、それらと指導内容との関係についても(なぜ必要なのかを)明確にする必要がある。
今回の課題では、数学「2次関数」または理科(物理/化学基礎)のボイルシャルルの法則に関わる単元について、以下の作業を行い、ファイルと考察結果を提出しなさい。
- 当該の単元について、現状の教科書が想定している単元指導計画をふまえた上で、仮に、当該単元を次期学習指導要領が目指す「汎用的・教科横断的資質・能力の育成」に結びつけるとしたら、(総授業時間数を変えずに)どのように単元指導計画を見直す必要があるかを考察し、具体的な単元指導計画をファイルとして作成しなさい。
- 単元計画の作成に当たっては、以下のことを明記しなさい。
- 育成すべき「汎用的・教科横断的資質・能力」との関係を明確にするために、生徒が日常生活等で発揮すべき具体的な資質・能力の内容がわかるような課題例を複数挙げなさい。
- 単元指導計画の中では上記の課題の少なくとも1つ以上を取り上げ、課題解決的な授業を実施しなさい。単元指導計画では、当該授業について具体的な授業展開(特に、生徒の活動)が分かるように、当該部分についてはある程度詳細に記述しなさい。
- 上記の課題解決的な授業を実施するために、それ以前の授業で「言語能力」「情報活用能力」「見方・考え方」「メタ認知」「学習技能」などの指導をどう取り入れたり、工夫したりするか、また、授業時間を効率的に使うために、授業の情報化等にどう取り組むか、工夫する点を明示的に示しなさい。その際、自分が「教育工学」で担当した指導案を例にして、それをどう改善するとよいかを具体的に考察しなさい。
- 次回授業時に、グループで相互評価・討議するため、印刷したものを3部持参する
- 締切: 7月23日(火)の24:00(24時間表記)