学習指導要領 | 学習活動の概要 | 指導上の留意事項 | ||
(ア)コンピュータにおける情報の表し方: 文字、数値、画像、音などの情報をコンピュータ上で表す方法についての基本的な考え方及び情報のディジタル化の特性を理解させる。
(6時限)
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【導入実習】(1時限) ・次の「白黒パネルで数を表現する方法を考える」課題に取り組ませる。
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・作業用に、5×3のマス目を複数配置したプリントを作成し、配布する。 ・1つではなく、複数案を考えるように指示する。 ・例も複数用意する。 ・(課題eの回答提示後)複数の表現方法がある一方で、同じ情報の解釈の仕方も複数あることを体験的に認識させる |
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【見方・考え方の座学+定着実習】(5時限) ・「白黒パネル」課題で生徒に体験的に認識させたことを以下の形で「情報的な見方・考え方」として明示的に示す。
・説明に関連して、小規模の課題(定着実習)にも取り組ませる。
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全体を通じて以下の点に留意する。 ・説明だけでなく、実習を通じて確認させる。 ・単に情報技術に関する知識を与えるのではなく、背後にある「情報的な見方・考え方」を中心に据え、それが情報技術を活用した問題解決に役立つことを強調する。 ・情報の表現方法を固定的に捉えず、目的や条件に応じて使い分けることの重要性を強調する。 ・実習1として、自作のソフト(東京工業大学松田研究室学生の高橋伸二氏作成)を用い、表現できる範囲を超えた計算でオーバーフローが起こることを理解させる。 ・実習2として、ブラウザで日本語表示のページを表示させ、「表示」用の文字コードを換えた時に「文字化け」という現象が起こる場合があることを体験させる。 ・実習3として、「地図を他人に伝える」課題を以下のさまざまな状況で考えさせる。
・実習5として、波形のグラフをある間隔でくぎり、その値を読みとり、四捨五入して整数に直し、表計算ソフトに入力する。その入力したものを元にグラフを作成し、元のグラフと比較させる。 |
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(イ)コンピュータにおける情報の処理: コンピュータの仕組み、コンピュータ内部での基本的な処理の仕組み及び簡単なアルゴリズムを理解させる。 (4時限) |
【導入実習】(1時限) ・魚釣りを題材とした2つの課題を提示し、プリントに従って作業させる。
・上の課題は、「一番○○なものを選ぶ」という目的が共通なことを確認する。 ・上の課題を「4つの数の中から一番大きな数を選ぶ」という課題に置き換えて、出てきた2つの手順を表計算ソフト上に記述させる。 ・表計算ソフト上に記述した手順を、5個、100個、1000個の数の場合に適用するには、どちらの手順が再利用(拡張)しやすいかを考えさせる。 |
・表計算ソフトは、手順のステップ実行を視覚的に理解させるために用い、操作習得を目的としない。
・表計算ソフトでの作業に個人差が出る可能性が高いので、プリントでヒント(指定した2つのセルの値のうち大きい方を表示する式など)を与える。 ・比較する数の個数を多くした時、【課題1】の手順の方が、コピーして再利用しやすいことが実感できる。 |
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【見方・考え方の座学】(2時限) ・導入実習をふまえて、以下の知識や情報的な見方・考え方を示す。
・コンピュータは、特に「制御」に特徴があり、それを活かすために、人間の作る「プログラム」が重要な役割を担っていることを説明する。 ・コンピュータの仕組みが変わったら「良い」手順が変わってくることを認識させるために、以下の課題を考えさせる。
・天秤が1つの場合と複数の場合とで、より良い手順が違ってくる。 |
・五大機能を暗記させるのではなく、人間の情報処理の過程と関連づけたり、さまざまなソフトウェアの機能と対応づけて解説する。 ・天秤の数は、並列処理などの比喩であることを簡単に説明する。コンピュータの仕組みが変わらなくても、ネットワークでコンピュータを複数台つなげば同じような状況を作れることも簡単に触れる。 |
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【定着実習】(1時限) ・処理手順を記述する模擬的な体験をさせるために、以下の課題を提示し、プリントの指示にそって作業を進めさせる。
・実際に存在している並べ替えのアルゴリズム(バブルソート、クイックソート)を紹介する。 |
・使える記述方法は、「分銅Aを右の皿にのせる」など、プリントで指定する。 ・それぞれのアルゴリズムを理解させることはせず、さまざまな方法があり、それぞれが異なった「良さ」を持っていることを強調する。 |
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(ウ)情報の表し方と処理手順の工夫の必要性: コンピュータを活用して情報の処理を行うためには、情報の表し方と処理手順の工夫が必要であることを理解させる。 (4時限) |
【導入実習】(1時限) ・(1)アで行った「合宿の予約」課題を提示し、授業を思い出させる。 ・この課題において、宿や施設の値段及び空き状況の情報を、複数の表現方法で提示し、その表現を活かした処理方法を発想させる。(討論) |
・表計算ソフトを用いることを前提とする。 ・実際に処理を行わせる。 |
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【見方・考え方の座学】(1時限) ・導入実習を元に、以下の見方・考え方を提示する。
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・(1)アで学んだ日常的な問題解決と、(2)ア、イで学んだ情報の表現・処理を関係づける。 |
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【定着実習】(2時限) ・ 同じく「合宿先の予約」課題を発展させ、以下の課題を課す。
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・情報はプリントで配布し、表計算ソフト上でどう表現するか工夫させる。 ・表の設計・表現方法と処理方法がうまくかみ合っているかどうかを自己評価させる。 |