前提試験および中間テストの参考情報

前提試験の概要

教育工学の授業で前提としている授業は、

1.教職概論
2.発達と学習I・同II
3.教育基礎A,B
4.教育制度と教育行財政
5.教科教育法IとII

です。とりあえずは、下記のような内容が必要になります。

1については、授業を担当する教員が担っている責任についての認識が必要です。

2については、授業での働きかけを考える際に必要となる、
  認知情報処理モデルや記憶・学習のモデル、
  発達段階、
  学習を促進・阻害する要因(情意的要因を含む)、
  学習における個人差の要因、
  誤りの原因となる要因、
  知能の分類やその測定法など
が最低限必要でしょう。

3と4,5については、
  学校教育の役割や学校の授業を設計・実施することに関わる法律的枠組み
  (例えば、学習指導要領や教科書の法律的位置づけ、
    学習指導要領の総則にあるような授業時間や単位数の枠組み、
   1時間の授業でどの程度の分量を進まなければならないか、
   自分の担当教科の目標や必要最低限の指導内容は何か、
   学校のカリキュラムにはどの程度の自由度があるのか、
   学校教育の今日的課題や最新の学校教育政策の動向、など)や、
  生徒の実態などについての基礎知識
  (例えば、生徒達は自分の担当する教科に対してどのような意識を持っているのか、など)
を持っていることが最低限必要です。

出題方法

基本的には、上の(1,3,4), 2, 5というまとまりごとに6~7題程度を出題し、その中からそれぞれ3問以上、合計10題を選択して解答してもらいます。

具体的な出題内容例は以下のような感じです。

教育工学の履修の前提レベル


中間テストに関係する指導案作成の前提知識レベル

履修前提レベルの問題も、指導案作成に関わる問題は出題される可能性があります。
このままの形式で出題するとは限りません。
また、類題がいくつでも作成できるもの(例えば、授業観の項目例や目標行動の例を挙げる問題)は、類題が出題される可能性の方が高いです。
以下(および今年度の中間試験)で、単に「学習指導要領」と書いた時は、2017・8年告示の学習指導要領を指し、「旧学習指導要領」とは2008-9年告示の学習指導要領を指す。

問:以下の[ ]内に該当する適切な言葉を答えなさい。

  1. 授業とは、学習者が[ ある学習目標を達成 ]することを教師が[ コミュニケーション過程 ]を通して[ 援助 ]する機会である。
  2. 教材開発手法である「ID」は、[ Instructional Design ]の略である。
  3. Dick & Careyモデルにおける「教授分析の実施」と「初期状態の同定」は、吉崎の教師の意思決定モデルでいう[ 教授方法に関する知識 ]、[ 教材知識 ]、[ 生徒に関する知識 ]を明確にすることに対応する。
  4. 指導案は、[ 表紙 ]情報と[ 展開 ]情報とから成る。
  5. 表紙の最初には、授業を行う、年、月、日、曜日、時限、学年、クラスなどを記述するが、特に、[ 学年 ]や[ 月 ]などは既習事項の範囲と関わるので教育実習事前指導で指導案を書く際にも必ず記述する必要がある。
  6. 単元とは、[ 学習指導要領の内容項目(1),(2),(3)のレベル、またはその下のア、イ、ウのレベル ]を指す。
  7. 単元の目標は、[ 単元の指導計画の各次(または単元のもう1つ下の目次項目レベル) ]ごとに箇条書きで示す。
  8. 単元の指導計画は、[ 単元のもう1つ下の目次項目レベル ]ごとに、[ 時間配当 ]とともに示し、さらに、[ 本時がどこに当たるか ]を明示する。
  9. 目標には、教育目標という言い方と学習目標という言い方があるが、学校教育で扱うのは[ 教育目標 ]と考えるべきで、それが[ 学習目標 ]となるように[ 動機づけ ]する必要がある。
  10. 坂元の教授学習過程のモデルは、[ 3方向コミュニケーションモデル ]とも呼ばれる。このモデルで特に重要なのは、教師が新たな学習内容を次々と提示するのではなく、学習者の反応に対して[ KR ]を返すことの重要性を示している点である。
  11. 動機づけを高めるための教育的働きかけに関する体系的なモデル・理論として、[ ケラー ]によって提唱された[ ARCSモデル ]がある。
  12. ARCSモデルのARCSは、[ Attention(注意) ][ Relevance(関連性) ][ Confidence(自信) ][ Satisfaction(満足感) ]の頭文字である。
  13. ARCSモデルに基づいて「自信」を高めるためには、例えば、[ 学習の見通しを示す/既有経験との関連性を示す/既に達成していることとの類似性を示す ]などの働きかけが必要である。
  14. ブルームは教育目標を大きく[ 認知 ]領域、[ 態度(または情意) ]領域、[ 精神運動(または運動技能) ]領域の3つに分類している。
  15. ブルームは、認知領域の目標を[ 6 ]段階に分類しており、「暗唱(または記憶)」はその第[ 1 ]段階のレベルである。
  16. ガニェは教育目標を大きく[ 知的技能 ]、[ 認知技能 ]、[ 言語情報 ]、[ 運動技能 ]、[ 態度 ]の5つに分類している。
  17. 教育工学では、教育目標を[ ○○を△△できる ]という形式([ 行動目標 ]と呼ぶ)で記述する。
  18. 「教育工学I」の授業では、認知領域の教育目標を記述するものとし、その段階は、[ 受容・体験 ]、[ 記憶(または再生、暗唱) ]、[ 同定・識別 ]、[ 適用 ]、[ 問題解決 ]、[ 評価・実践 ]の6段階とする。
  19. 行動目標の考え方に基づけば、学習を深める1つの方向性として、同じ学習内容に対して、より高いレベルの目標行動を達成することが求められる。そ のためには、例えば、暗唱レベルにある時に、[ ××とどう違うの? ]など、識別レベルに上げるための疑問を持たせる必要がある。
  20. 目標行動の「の証明/導出過程を再生できる」は、[ 知識・再生 ]レベルの目標である。
  21. 「問題解決」レベルの目標行動としては、[ を適用して導出/証明できる ]などがある。
  22. 再生と再認については、人の顔を見て名前が思い出せる場合が[ 再生 ]、相手が名前を名乗った時にその通りだと認識できる場合が[ 再認 ]という違いがある。
  23. 指導案の表紙の「本時の目標」には、その授業の目標を[ 行動目標 ]の形式で箇条書きにする。
  24. 指導案の表紙には、授業実施条件の他に、[ 授業観・教材観 ]、[ 生徒観 ]、[ 指導上の工夫 ]などを記述する。
  25. 授業観は、学習指導要領に規定されている[ 教科・科目の目標 ]や、学習指導要領解説に示されている[ 改訂のポイント ]などをふまえた記述が必要である。
  26. 授業観の項目「普段の生活に関わる事象を科学的に捉え、考え、問題解決する力をつける」は、[ 改訂のポイント ]をふまえた授業を行う時に記述すべき項目である。
  27. 授業観の項目の中で、[ 入学試験の問題を解く力をつける ]は、改訂のポイントとも、学習指導要領の目標とも関係ない項目である。
  28. 授業観の項目の中で、[ 科学的な見方・考え方の有用性を認識させ、それを活用できる力をつける ]は、[ 教科の目標 ]をふまえた授業を行う時に記述すべき項目である。
  29. 現代的な教授法としては、[ プログラム学習/範例学習/発見学習/有意味受容学習/完全習得学習 ]などがある。
  30. 発見学習は、[ 学問中心 ]教育課程における教授法として発案され、[ 学問における発見 ]の過程を追体験させることで、問題解決力を育てようとするものである。
  31. 有意味受容学習における重要概念は、[ 先行オーガナイザー ]であり、認知的には[ 知識の構造化 ]のために重要であり、情意的にはARCSモデルの[ 自信 ]を高めることとも関連する。
  32. 生徒観は、生徒の実態を記述するが、[ 学習指導要録 ]の評価観点をふまえて、[ 知識・理解 ]、[ 思考・判断(数学的/科学的な見方・考え方) ]、[ 技能・表現 ]などの学力の実態と、[ 関心・意欲・態度 ]の実態とを考える必要がある。
  33. 生徒観は、全国的な生徒の状況を示す[ 教育課程実施状況 ]調査の結果や、[ 学校基本 ]調査の卒業後の進路の状況などと比較して、当該クラスの特徴を検討することが必要である。
  34. 生徒観の項目のうち、「この教科・科目が得意な生徒と、苦手な生徒の2極分化が見られる」は、[ 教育課程実施状況調査 ]の数学や化学で見られた傾向をふまえた項目である。
  35. 生徒観の項目のうち、[ この教科・科目が得意な生徒が多く、苦手な生徒はほとんどいない ]は、全国的な傾向とは全く異なるものであり、理系の進学クラスで授業をする場合など、特殊な設定を想定していることを意味する。
  36. 生徒観の項目のうち、[ 少しでも行き詰ったら自力で課題解決するのを諦めてしまう生徒が多い ]は、PISA調査などで(特に、記述式問題の)無答率が高いことと関連して設定された項目である。
  37. 指導上の工夫では、学習指導要領総則の[ 教育課程の実施等に当たって配慮すべき事項 ]や、各教科・科目の[ 内容の取扱い ]などをふまえた検討が必要である。
  38. 評価には学習者の状況を診断してFBを返すという目的と、最終的な目標達成度に応じて成績をつけるという2つの目的がある。指導案の表紙の評価方法には、このうち[ 前者 ]について記述し、もう1つの評価はそれと区別するために[ 評定 ]と呼ぶ。
  39. 指導案の表紙の「評価方法」の欄には、[ 本時の目標 ]に対応づけて、どのような情報をどのような方法で収集し、どのような観点で分析するかを記述する。
  40. 指導案の展開には、[ 分節/過程 ]、[ 時間配分 ]、[ 指導内容/教授内容 ]、[ 板書事項 ]、[ 生徒の活動 ]、[ 指導上の留意点/留意事項 ]を時系列的に記述する。
  41. 「先生が授業の最初にタイトルやページを黒板に書くと、生徒が教科書やノートを開き、授業を聞く態勢になる」などは、吉崎の教師の意思決定モデルで言う[ 教授(授業)ルーチン ]に対応する。
  42. 指導案の展開は、教師の意思決定モデルの「授業計画」の知識に対応する。この授業計画は、[ 5つ組の系列 ]として記述されると考える。
  43. 授業計画の「5つ組」とは、[ 授業状況(の予測) ]、[ 教授意図 ]、[ 伝達内容 ]、[ 伝達方法 ]、[ 結果の予測 ]のことである。
  44. 教授意図には、大きく分けて、[ 認知活動制御 ]、[ 生徒集団制御 ]、[ 情報特性制御 ]、[ 教授行動制御 ]がある。
  45. 教授意図は大きく分けて2階層に分類させ、[ 認知活動制御 ]と[ 生徒集団制御 ]の教授意図に基づいて、[ 情報特性制御 ]と[ 教授行動制御 ]の教授意図が選択され、それに基づいて5つ組の[ 伝達内容 ]と[ 伝達方法 ]が決まると考える。
  46. 指導案の「指導内容/教授内容」には、5つ組のうちの[ 教授意図 ]と、板書以外の[ 伝達内容 ]、[ 伝達方法 ]を記述する。
  47. 指導案の「生徒の活動」には、5つ組のうちの[ 授業状況(の予測) ]や[ 結果の予測 ]を記述する。
  48. 指導案の「指導上の留意点」には、5つ組の教授意図のうち、特に[ 情報特性制御 ]や[ 教授行動制御 ]に関する教授意図や、5つ組には無いが「好ましくない結果の予測」に対する[ 対応行動 ]を記述する。
  49. 認知活動制御の教授意図は、[ ARCS ]モデル(理論)に基づく[ 動機付け ]関連の教授意図と、[ 人間の情報処理 ]モデルに基づく[ 記憶や思考 ]関連の教授意図から成る。
  50. 人間の情報処理モデルに基づく教授意図は、入力情報をWMに取り込むまでの[ 情報受容・共有・強調 ]、長期記憶からWMに引き出す[ 再認・再生・記憶 ]、WM上で行う[ 思考・操作 ]、それらを補助する[ 見方・考え方 ]や[ メタ認知 ]などのカテゴリーから成る。
  51. 生徒集団制御の教授意図は、教室での授業において、生徒間に生じる[ 異なる発想/目標達成度や作業進捗状況のばらつき/聞き漏らしや誤解などの情報の共有の不徹底 ]などを解消するためのものである。
  52. 今回の教育工学用の指導案記述項目の中で、情報特性制御の教授意図に関わるのは、[ 表現・提示方法の工夫 ]と[ 情報化への対応 ]である。
  53. 「授業状況」の「態度・意欲・準備」の項目で、「授業内容や教師の話に関心がない/この内容を学習する意義が感じられない/苦手意識や不安を感じている」などは、[ ARCSモデル ]と関連した項目である。
  54. 「授業状況」の「態度・意欲・準備」の項目で、「出欠状況が不明である/教科書やプリントを忘れてきた生徒がいる/授業を受ける準備ができていない生徒がいる/生徒は授業を受ける準備ができている」などは、[ 授業の導入 ]のみで使う項目である。
  55. 「授業状況」の[ 知識の暗唱/理解の状況 ]、[ 用語や定理・法則の活用の状況 ]の項目の多くは、第4回授業のテーマである「誤り・つまずき分析」における適切次元に対応する。
  56. ある関数が単調増加にあることを調べるために、変数に数値を代入して関数の値の変化を調べることなどは、[ 数値化して考える ]ことに対応する。
  57. 2次関数の問題を解く時に、関数のグラフを描いて考えることは、[ 図表化して考える ]ことに対応する。
  58. 図表にまとめた実験結果を一次関数の式に表すことなどは、[ 記号化して考える ]ことに対応する。
  59. ボイルの法則を「風船に力を加えると風船が縮む」ことと対応づけるのは、[ 具体的な現象に置き換えて考える ]ことに対応する。
  60. 鉄棒運動を力のベクトルや慣性モーメントの向きや大きさに着目して考えることは、[ (数学的な)概念や式に置き換えて考える ]ことに対応する。
  61. 2次関数の平行移動を頂点の座標の移動に注目して考えるのは、[ 特殊/典型的な場合を考える ]ことに対応する。
  62. 余弦定理を三平方の定理と関連づけて考えることは、[ 複数の場合を統合/一般化して考える ]ことに対応する。
  63. ボイルの法則とシャルルの法則からボイルシャルルの法則を導くことは、[ 演繹的に考える ]ことに対応する。
  64. 実験結果からボイルシャルルの法則を導く(体積と圧力が反比例の関係にあることを導く)ことは、[ 帰納的に考える ]ことに対応する。
  65. 2次関数の決定問題を1次関数の決定問題の解き方と関連づけて考えることは、[ 類推的に考える ]ことに対応する。
  66. 授業状況として「手がかりになる類題が思いつかない」ことが予想される場合は、[ 次の思考に必要な情報を共有させる&手がかりとして問題例を提示する&類似性に気づきやすい表現をする ]などの教授意図を持つ必要がある。

問:以下の文の内容が正しい時には、[ ]内に○を、間違っている時は何が間違っているかを答えなさい。

  1. 「授業状況」の「情報の受容・注意の状態」の項目で、「ノートにとることに意識がある」は、教師が口頭で説明したことをノートにとっている状況を表している。
    [ ノートにとっているかどうかに関係無く、理解することよりも、ノートにとることのみに注意を向けている状況を指す。 ]
  2. 「教授意図」の「情報受容・共有・強調」の項目で、「情報をいつでも参照できるようにしておく」を実行する方法としては、「復習事項を一時的に板書し、すぐに消す」場合などが考えられる。
    [ 上記の方法は思い出させる場合などに相当し、この場合は、すぐに消すのではなく、黒板上にいつでも参照できるように残しておくべきである。 ]
  3. 「教授意図」の「動機付け・受容準備・状況確認」の項目で、「時間や場面の切り替えを意識づける」は、「授業の最初に授業開始を意識づける」時のみ使う。
    [ 授業中にグループ作業をさせた後、一斉授業に戻る時なども、「作業時間は終わって座学の時間に入る」ことを意識づける必要がある。 ]

問:以下の文の内容が正しい時には、[ ]内に○を、間違っている時は×を答えなさい。(以下は全て正しい場合を示しているが、試験では間違っている場合も出題される。また、以下は全て発問文の場合だが、説明文の場合も出題される。)

  1. 伝達補助で「はい、[こちらに注目して/話を聞いて]下さい。」は、「発話や提示の前に注意を向けさせる」という教授意図を達成するための発問として使える。
  2. 伝達補助で「間違った/忘れた人は復習が必要ですよ。」は、「問題点を指摘して改善を促す」と同時に、「覚える必要があることを明示する」という教授意図を達成するための働きかけとして使える。
  3. 伝達補助の「配布されたプリントは忘れずに持ってきて下さい。/指示されたものはちゃんとノートにとって下さい。」などは、「問題点を指摘して改善を促す」という教授意図の下、教授ルーチンの一種として生徒に習慣化を促すための働きかけになる。
  4. 「情報をいつでも参照できるようにしておく」という教授意図を達成するためには、伝達補助で「必要になったらこれを参照して下さい。」と明示的に指摘しておいた方がいい。
  5. 伝達補助で「このことは、すでに学習したはずですよ。/こうでしたね、思い出しましたか?」は、「既習であることを再認させる」という教授意図を達成するための発問である。
  6. 伝達補助で「これ[ら]を何といいましたか?」は、「思い出させる」という教授意図を達成するための発問である。
  7. 伝達補助で「このような目的/条件で使えるものがありましたね?」は、「手がかりとして目的や条件を強調する」という教授意図を達成するための発問として使える。
  8. 伝達補助で「例えば、(○の時は)△、(●の時は)▲などでしたね?」は、「手がかりとして典型例や数値例を示す」という教授意図を達成するための発問として使える。
  9. 伝達補助で「この問題を見て思い出しませんか?」は、「手がかりとして問題例を提示する」という教授意図を達成するための発問として使える。
  10. 伝達補助で「こんな感じの式/形でしたよね?」は、「手がかりとして概略や特徴を提示する」という教授意図を達成するための発問として使える。
  11. 伝達補助で「次の中に答はありますか?」は、「ヒントとして選択/穴埋め方式で提示する」という教授意図を達成するための発問として使える。
  12. 伝達補助で「ここで間違った人は既習事項の復習が必要ですよ。」は、「覚える必要があることを明示する」や「問題点を指摘して改善を促す」という教授意図を達成するための発問である。
  13. 伝達補助で「次のように覚えるといい[でしょう/という話をしましたね?]」は、「覚え方や再生時に役立つ手がかりを与える」という教授意図を達成するための発問として使える。
  14. 伝達補助で「これを使うには、その前に何が必要ですか?」は、「解決に必要な情報は何かを確認する」という教授意図を達成する時にも使える。
  15. 伝達補助で「[何/これ]が相違点です[か?]」は、「相違点を発見させる」という教授意図を達成するための発問である。
  16. 伝達補助で「[ど/こ]んな類似点/共通点/傾向があります[か?]」は、「共通点や類似点を発見させる」という教授意図を達成するための発問である。
  17. 伝達補助で「これはどこがおかしいですか?」は、「間違いや矛盾を発見させる」や「なぜ誤りなのか考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  18. 伝達補助で「このような基準で考えるとどれがより良いですか?/[その答/これ]でいいと思いますか?」は、「正誤/優劣を判断させる」という教授意図を達成するための発問である。
  19. 伝達補助で「何に着目して場合分けするといいと思いますか?/(○○に着目すると、)どのように場合分けできますか?」は、「分類や場合分けを考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  20. 伝達補助で「要点をまとめると、どうなりますか?」は、「要約させる」という教授意図を達成するための発問である。
  21. 伝達補助で「それらは[どの/この]ような関係にあります[か?]」は、「関係を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  22. 伝達補助で「この課題は、どのような手順で解けばいいですか?」や「これを使うには、その前に何が必要ですか?」は、「副目標や手順を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  23. 伝達補助で「この課題を解くのに[どの/この]既習事項が使えます[か?]」は、「適用可能な既習事項を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  24. 伝達補助で「何の公式を使って変形しましたか?」は、「何を適用したのか確認させる」という教授意図を達成するための発問である。
  25. 伝達補助で「なぜこのようなことになってしまったのでしょうか?/そのように考えた理由/根拠は何ですか?」は、「原因や理由や根拠を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  26. 伝達補助で「○○だと思う人は?[××だと思う人? それ以外の人は?]/今の○○君[さん]の回答をどう思いますか?/まわりの人と答を合わせをしてみて下さい。」は、「他人の状態と比較させる」という教授意図を達成するための発問として使える。
  27. 伝達補助で「これらの類似点/共通点/傾向から、どんなことが言えますか?/これらの例・図表から、どんなことが言えますか?」は、「帰納的に考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  28. 伝達補助で「これは今までに解決した[ど/次]の問題と似ています[か?]」や「[何/これ]と同じように考えればいいです[か/ね]?」は、「類推的に考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  29. 伝達補助で「(○○を使うと)この式は[どの/次の]ように変形できます[か?]/○○を使って定式化すると[どう/次のように]なります[か?]/[ど/こ]の定義・「定理/法則」・手続きが使えます[か?]」は、「演繹的に考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  30. 伝達補助で「文字○に[数値]を代入すると[どの/次のように]なります[か?]/これの数値例を挙げてください。/次の例は、この式に具体的な数値を当てはめたものと言えますか?」は、「数量化させる」という教授意図を達成するための発問である。
  31. 伝達補助で「これに該当する現象例に[何/次のもの]があります[か?]」は、「具体的な現象に置き換えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  32. 伝達補助で「図表で表すと[どう/次のように]なります[か?]」は、「図表化させる」という教授意図を達成するための発問である。
  33. 伝達補助で「数値を文字に置き換えると[どう/次のように]なります[か?]」は、「記号化させる」という教授意図を達成するための発問である。
  34. 伝達補助で「これを既に習っている定義を使って表すとどうなりますか?」は、「数学的な概念や式に置き換えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  35. 伝達補助で「これを一般化するにはどの条件を取り除けばいいですか?/この条件を取り除くとどうなりますか?」は、「一般化させる」という教授意図を達成するための発問である。
  36. 伝達補助で「この条件が成り立つとすると、[どう/次のように]なります[か?]/これは、[どの/次の/○○の]場合に該当します[か?]」は、「特殊化させる」という教授意図を達成するための発問である。
  37. 伝達補助で「分からないことを確認するにはどうすればよかったですか?」は、「実験・観察して確認する方法を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  38. 伝達補助で「同じ条件でも異なる結果になるのはなぜですか?/これらの間には条件が異なる点がありませんか?」は、「実験条件を要因に分解して考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  39. 伝達補助で「結果を予測する方法として、何を使うといいと思いますか?/定量的に結果を予測する方法はありませんか?」は、「関数を当てはめて結果を定量的に予測させる」という教授意図を達成するための発問である。
  40. 伝達補助で「これは何度やっても同じ結果になりますか?/この実験結果が科学的に正しいと言うためには、何が必要ですか?」は、「再現性があるかどうか確認させる」という教授意図を達成するための発問である。
  41. 伝達補助で「この実験から仮説が正しいことを証明できますか?」は、「仮説を検証するための実験に焦点化させる」という教授意図を達成するための発問である。
  42. 伝達補助で「これまでに習った法則と矛盾しませんか?/その法則と矛盾する法則が無いか調べましたか?」は、「既知の法則や事実との整合性を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  43. 伝達補助で「どんな結果になったら仮説が反証されることになりますか?/反証仮説が正しい時にはどんな実験結果になりますか?」は、「どのような実験結果なら仮説が反証されるか考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  44. 伝達補助で「その実験条件を変えた時に、他の要因も同時に変化しませんか?」は、「要因のうちの1つだけを変化させる方法を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  45. 伝達補助で「モデル化する時にはどんな考え方が必要でしたか?/うまくモデル化できない理由は何だと思いますか?」は、「ある要因を無視した場合を考えさせる」という教授意図を達成するための発問である。
  46. 伝達補助で「」は、「」という教授意図を達成するための発問として使える。